■ 今回は『ジェリー・フィッシュ』監督と主演コンビのお二方に、作品が完成した今だからこそ言いたい聞きたいことなどを話していただければと思っております。
金子 僕はふたりとカラオケに行きたい。
大谷・花井 行きたい行きたい!(笑)
金子 自分が歌いたいわけではないんだけど、ふたりの歌を聞いてみたいんだよね。で、演出したい。「君にはこの歌が合うよ、きっと」みたいに(笑)。で、もし踊るのだったら、ちゃんと振り付ける。
大谷 実は『ジェリー・フィッシュ』のこのふたりで、ユニット組んでCD出そうか、なんて話してたんですよ(笑)。
花井 この映画の主題歌を歌おう! とか(笑)。
金子『あまちゃん』みたいに? でも、この映画で今それをやられると、ちょっと引かれるかなあ(笑)。コメディ映画ならありだけど。
大谷 じゃあ、次はみんなでコメディやりましょうよ(笑)。
金子 とりあえず僕は少女時代が好きだからね(笑)。それとピンクレディーも歌ってほしいかな。
花井 少女時代もピンクレディーも歌えますよ!
大谷 昔、友達のお母さんが『UFO』踊れるからって、その友達に教えてもらって踊ったことあります(笑)。
金子 僕、昔、歌謡曲の本出したことあるからね。
大谷・花井 えー、すごい!
金子 そもそも僕は来年で監督デビューして30年になるんだけど、その頃ってまだふたりとも……?
大谷・花井 生まれてません!(笑)。
■ 金子監督は84年の監督デビュー昨『宇能鴻一郎の濡れて打つ』で『エースをねらえ!』のパロディをやるなど、当時のオタク文化を肯定してきた先駆け的映画人でもあります。
金子 でも僕、オタクには見えないでしょ(笑)。というか、一緒にやって来ていて、オタクっぽく思えたことってあった?
大谷 私はオタクですけど、金子監督にそんな印象を抱いたことはないですよ。というか、もうオタクって一般的なものですから(笑)。
金子 じゃあ、僕はもうノーマルなのか(笑)。澪ちゃんはアニメが好きなの?
大谷 はい、二次元と可愛い女の子がいれば、それだけでいい(笑)。ですから監督が『魔法の天使クリィミーマミ』(83~84)の脚本を書かれていたとお聞きしたときは驚きました。
金子 今はもう『クリィミーマミ』ってクラシックだけど、当時の女の子たちはみんな見ていたし、かつて現場で斉藤由貴や和久井映見、水野美紀とかにその話をすると、すごく喜んでもらえたものだった(笑)。
花井 ……実は私、オタクってどういうものなのかがよくわからないんですよ。
金子 小さい頃、アニメとか見てなかった?
花井 新体操に必要なものは見ましたけど。例えば南ちゃんの『タッチ』とか。
金子 魔法少女とは無縁の青春だったか。
花井 でも、その意味では新体操オタクだったといえるかも。
金子 いや、それはオタクと言わないかな。
大谷 うんうん(笑)。
花井 え、何で何で?
金子 今ここで言っているオタクとは、マンガとかの二次元さえあれば現実の生活なんかいらないって人のことだから。
花井 でも、それってすごくないですか!?
金子 まあ、その意味では、花井さんはオタクというより、リア充だね。
大谷 そうそう、マジにリア充!
花井 えー、どういうこと!?
金子 実際に身体を動かして、それが快感みたいなものに繋がっていたわけだから、リアルな生活として充実していたんだよ。
大谷 こっちはフィクションの世界に生きていたいから。もう可愛い子さえいればそれでいいの(笑)。
花井 ……すごいね!?
金子 でも澪ちゃんにしても、もともとそういうところにいたのが、今は女優として活動し続けてきて、その意味ではリア充のカテゴリーに入ってきているんじゃないの?
大谷 確かに仕事としての充実感はすごくありますけど、役者ってひとつの仕事が終わって次の作品に入るまでの間、役について調べたりしていくうちに、どうしても引きこもりがちになっていくんですよ。そうなると、どうしても非リア充になるとでもいいますか(笑)。
金子 確かにあなたは、話していると普通なんだけど、ツィッターなんか見ると「アレ?」と思うことが多いよね。
大谷 もうキャラクターとして個性にしようと思っていますから(笑)。せっかくここまで没頭して好きになれるものがあるんだから、それを浸透させた方が得かなと。だからオタクっぽいこともどんどん発信するようにしています。
金子 頭の中はオタクなんだけど、だんだんリア充になっていくってことね。そこがまたあなたの面白いところでもあって、夕紀にもぴったりだった。まあ、夕紀はちょっとだけアニメ好きだったかもしれない(笑)。
大谷 ネクラじゃないけど、静けさの中にどこかふつふつとしているような女の子ですよね。
金子 叶子はアニメに傾倒してないかな?
花井 でも叶子は私とリンクしているところが結構ありました。澪ちゃん系のオタクとはちょっと違いますけど(笑)、私はどこか妄想の中で生きているところがあって、勝手な想像で自分好みの人物を仕立てあげながら、その世界に浸ってしまうところがあるんですよ。新体操もしゃべらないけど演技するという意味では同じでしたから、いろいろな人物を演じ続けてきて、つまり新体操の世界は現実の世界で、それ以外はずっと夢のような気分だったんです。ですから今回、映画の中でお芝居していることで何だか現実に帰ってこれたような、そんな感じを今は受けていますね。
金子 そうとう論理的だな(笑)。一方で澪ちゃんは感覚的だし、ふたりは本当に真逆だと思うよ。だから映画の冒頭、水族館の中であなたたちふたりの唇が触れあったとき、僕の中で電流が走った(笑)。